2020年7月の簡易的なオーストラリアドルの動向分析と予測をしていきます。
オーストラリアの経済構造自体の説明は、また別の記事でご紹介します。
豪ドル各変動要因
オーストラリア経済
オーストラリアのコロナウイルスの感染者数は、4月の半ばより100人以下に抑えられており、他国と比較してある程度抑えられていると言える。よって、今のところオーストラリアドルは強気となっている。
ただし、7月に入り経済活動が再開するなかで感染者数は増加傾向にあり、8日にメルボルン都市圏では外出規制が発令される。他にも境界の出入りを規制するなど、再度経済封鎖される危険性があり、オーストラリアの経済への影響が意識されれば、再びリスクオフの雰囲気からオーストラリアドル下落要因となる。
また、政策金利は0.25%のまま変わらず、大きなインパクトとはならなかった。しかし議事録においては「雇用・インフレが改善するまで利上げは行わない」となっており、長期的な金利的な魅力が薄れることで長期的に見て下落圧力がかかる恐れがある。
雇用者数や失業率についても若干の悪化となっており注意が必要である。
米国経済
米国において、小売売上高や製造業・非製造業、労働市場における市場予想を上回る好指標が発表されたことでで米国の景気後退懸念が後退している。
また、新型コロナウイルスのワクチン開発が順調との見方もありコロナウイルスによる経済への影響が後退していることで世界的にリスクテイクの流れが強いといえ、オーストラリアドルの上昇要因となっている。
しかし、南部を中心にコロナウイルスが再拡大しており感染者数が300万人に迫っていることで経済再開が遅れる懸念がある。ただし感染者数が増加する中、ハイテク株は上昇しておりアメリカ経済の根底にある強さがうかがえる。
また、香港における国家安全維持法や貿易戦争などで米中関係は悪化しており両国経済への悪影響が懸念される。こう言ったリスクが意識されれば再びオーストラリアドルが下落する可能性がある。
アメリカ経済は世界景気の牽引役でもありその景気の状況はオーストラリアドルにも大きな影響がある。
中国経済
オーストラリアと経済的な結びつきが強い中国においては
・財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)等経済指標が軒並み改善
・中小企業の資金調達コスト削減のため貸出金利低下…
などで中国経済への景気後退懸念が和らいでいる。
また、上海総合指数なども上昇を続けており、景気への期待感が伺える。米国との関係問題はありつつもオーストラリアドルの上昇要因となっている。
※オーストラリアの最大貿易国は輸入輸出共に中国。(20~30%)
資源価格
資源国家の代表格であるオーストラリアでは鉄鉱石や金、石油などの価格が国の景気に大きな影響を与える。
ここ数週間で原油はじめとする商品価格は上昇しており、オーストラリアドル上昇の支援材料となっている。
またEUは、1日より15か国からの訪問者を受け入れる方針を示し、その中にオーストラリアも含まれている。そのため、航空業界への追い風や経済再開期待への増強と原油はじめとする商品の需要増加などが期待される。
欧州や中国等で本格的な経済再開が起これば、需要の回復が考えられることからオーストラリアドルにとっての支援材料となることが推測される。
特に製造業の拠点であり豪州との関わりが強い中国の再開は、強い追い風となるだろう。
まとめ
基本的にオーストラリアドルは、世界的なリスク選好ムードで買われ、リスクが意識されると売られる形が主流です。また、オーストラリアドルは資源通貨としての性格や高金利通貨としても注目される通貨であり、こう言った要素に関するニュースに敏感に反応する側面を持っていることにも注目したい。
今回は、202年7月のオーストラリアドルの分析を簡易的に文章形式で羅列したに過ぎないため、大変読みにくかったかと思います。なので今度、オーストラリア経済そのものに関するわかりやすいまとめを作りたいと思います。
また、こういった分析は今後ツイッターや記事にてご紹介していきたいと思います。