新入行員の業務

【実体験】新入行員の業務 〜担保調査編〜

投稿日:2020年5月17日 更新日:

新人銀行員ってどんな仕事をしているのか気になる方もいらっしゃると思います。特に銀行への入行を考えていらっしゃる方は気になる部分だと思います。

なのでこれから新人銀行員のリアルな業務を、
具体的かつ分かり易く
ご紹介していきます。

一般論ではなく、コアな部分も攻めて行きますので、興味ある方は、ぜひご参考にしてください。

因みに今回は、「不動産担保調査」です。
コア度 : 中の下


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担保とは?

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担保調査の説明をする前に、「担保」について軽くご説明いたします。

「担保」とは、
融資をした顧客から、お金を返してもらえなくなった時、担保を競売を通じて売却するなどして、その売却代金をもって債務の返済に充てる仕組みの目的となる物

です。

これには、売掛債権や動産も対象になりますが、その大部分は不動産が担保として利用されます。

銀行は、顧客に融資する際必要に応じて顧客から不動産担保の提供を受けることで、債権の取りっぱぐれを防いでいるのです。

簡単な図にするとこんな感じです。


もちろん、顧客の財務評価や信頼性などの側面から不動産担保の提供を受けないという場合もあります。

担保調査とは?

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簡単に言うと、
「支店では分からない不動産情報を実地に足を運ぶことで調査する」
ことです。

暇な新人に任される事が多く、融資課や営業課に配属されると多く経験することとなります。

では、どんな目的で行うのでしょうか?


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担保調査の目的

主に次の様な目的で担保調査を行います。

・顧客から提出を受けた不動産情報が本当に正しいのか?
・担保の価値をより正しく把握することで、より安全に融資したい。
・不動産の適法性を確かめることで、大幅な担保価値の毀損を未然に防ぐ。


顧客からどんな資料や説明を受けても、それを100%信じて融資するわけにはいきません。

・敷地面積が全然違うかもしれないし
・あるはずの建物が取り壊されていたり
・所有者が本当は違う人間だったり
・駅からの所要時間が大幅に遠かったり


など多くのトラブルが考えられます。なので顧客の資料や説明と実際の物件の情報が正しいのかを確認する必要があるのです。

また、資料に目を通すだけでは見えてこない周辺環境なども考慮することで、実際に担保の競売によって債務の弁済を受ける際に想定通りの価格で売却する事ができるのです。

そして、建築基準法や都市計画法などの法律に違反した建築物で無いことの確認もしなくてはなりません。

なぜなら、違法建築物を購入したい人間なんてそうそういませんし、競売でトラブルになりかねません。

では、実際何をするのでしょうか?

担保調査の内容

大きく分けて「実地調査」と「市役所」での調査となります。

市役所での調査

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ここでは、主に
「物件の適法性」を確認する調査を行います。

◯基本確認事項
・道路の幅員
・道路種別
・都市計画関連の調査
・建築確認や検査済証


幅員
道路台帳」と呼ばれるものを取得して調査します。

一般的に広い方が、建物の建築が行い易く価格が上がる傾向にあります。

また道路の幅員は、2メートルを下回るといわゆる2項道路とされ、セットバックが必要になります。(建築基準法42条2項)
簡単にいうと、2メートルを下回っている分だけ敷地面積を削って道路の一部とみなすという定めになっています。このあたりは、入行後に勉強することになるので大丈夫です。

道路種別(建築基準法42条)

1号道路〜5号道路まであり、それぞれ違った意味合いを持ちますが特に

・4号道路
・5号道路


は、担保価値に大きく影響を与える可能性があるもので注意です。

超簡単に説明すると、

◯4号道路
都市計画道路と呼ばれるもので、予定地の建築制限が付される可能性があり注意が必要。また、予定地の建築物は買収になる恐れがある。


◯5号道路
通称位置指定道路。
私道で、行政に申請・位置指定を受ける道路。
大きな土地などを分割する際に、前面道路から奥側の土地に入るために作られるケースが多い。
一般人の通行が制限される上に、手間や費用、トラブルも多く注意が必要。

位置指定図も併せて取得する必要がある。

といった形です。詳しい説明は今回の趣旨に反するので省略いたします。

都市計画関連の調査

都市計画法上もしくは条例上

・建築の制限
・高さや面積、建ぺい率、色の制限
・土地の用途の制限

などなど多くの制限が設けられているため、この制限の調査と、物件がその制限ないにあることを調査する必要があります。

建築確認・検査済証

こちらは、建築の計画段階での適法性と建築後の適法性を証明するもので、「建築計画概要書」を取得することで、実際に両証明がなされているかを確認できます。

建築計画概要書

簡単に言えば、どういった建築物を建築するかの届け出書面になり、建物の概要を知る事が出来ます。
ここで概要を把握して実地にて再確認するという流れとなります。


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実地調査

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銀行の規定・要領には多くの検査項目が載っていることと思います。
しかし、実際は数の多さや時間が無い状況で、臨機応変に見るべき部分を見て写真を撮るというのが流れとなります。

◯調査内容

・前面道路の幅員調査
・写真撮影
・最寄りからの距離
・周辺環境

基本的には、

駅から徒歩でどれくらいかかるか計測
⬇︎
メジャーをもって道路の長さや間口の広さ等を測る
⬇︎
物件を囲む様に写真を撮る(表札も)
⬇︎
その他気になる点を調査(道路との高低差など)
⬇︎
周辺環境を気にしながら駅に戻る

という流れになります。
一人での作業になるので結構気楽で楽しいです!

周辺環境については、

利便性や騒音・汚さ・嫌悪施設の有無・スーパーの有無・坂のキツさ

などを観察して、実際自分なら住みたいと思うか?という視点から調査します。

行き帰り

遠い場所の物件だと1日かかることもあるため、電車内などで今日の調査事項を勉強しながら行くととても有意義だと思います。

用途地域ってなんだろう?
容積率・建蔽率って?
概要書って何が載っているの?
2項道路ってなんだろう?


こういうの家に帰ってから勉強するのは辛いですよね?
こういう時間を有効活用して、効率良く担保調査をしていきましょう!

因みに私は、暇になるとアニメ見てました(小声)

まとめ

summary

いかがでしたでしょうか?
法的な詳しい説明はしていませんが、調査の大筋はご理解いただけたと思います。

私個人としては、担保調査は息抜き感覚で楽しかったです。
なんか自由になった感覚ですね。
しかも誰にも文句を言われず、好きな勉強をしながらのんびり調査できるので尚更有意義でよかったです。

執筆者
T

現役銀行員で融資・資産運用担当
簿記・FP・銀行業務検定・ビジネス法務・外務員・TOEICなどの資格を保有。


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Tatsuya
普段は銀行員として資産運用や融資を担当。
夜はI.R.Cafeのスタッフとして皆様に真摯に寄り添います。

Mitsuba

普段は英語教師、でも夜はI.R.cafeの一員として、ゆったり密度の濃い相談を致します。

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