銀行のリアル

外貨預金をおすすめしない3つの危険性 現役銀行員が警告

投稿日:2020年4月7日 更新日:

「外貨預金」 銀行の窓口で勧められた事がある方も多いと思います。
そんな「外貨預金」実はあまりおすすめできません。投資商品の中では最低の選択肢と言っても過言ではありません。

どうしてなのか、今回は銀行の裏の事情に触れながら赤裸々にご紹介したいと思います。

外貨預金の仕組みをご存知ない方は、超簡単に説明しておきましたので、先に外貨預金の仕組みをご覧ください。
ご存知の方は、飛ばしてください。

外貨預金とは?

簡単な話、理由1でも述べた通り
円の代わりに外貨でお金を預け入れる商品」です。

また、外貨は世界中の市場で随時取引され価格が変動しています。
なので
1ドル100円の時に預け入れとしたら

1ドル101円の時に引き出せば

1ドルごとに1円の利益を受け取れます。

つまり「円安」になれば利益を受け取れるのです。(手数料考慮せず)

逆に、
1ドル99円の時に引き出すと

1ドルごとに1円の損失となります。

つまり「円高」になると損失が発生してしまいます。

※「円高」「円安」などの用語は後日ご紹介します。

危険性1 外貨預金の販売は新人が担当する事が多い

外貨預金は簡単にいってしまうと
円の代わりに、米ドルなどの外貨でお金を預け入れる商品
です。

どうですか、投資信託とかに比べてシンプルですよね?

そう、つまりリスク性金融商品の中で、手続きや説明が

一番簡単な商品」なのです。

だから、金融にあまり詳しくない「新人」でも手軽に売れてしまうのです。
しかしながら、外貨預金は当然「リスクのある商品」です。

相場が下がれば(円高)、それだけ損が出るし、手数料も正確に理解していないと大きな痛手となります。


新人の担当の中には、

・相場の基本的な動き方、仕組み、マーケットニュース
・手数料の概要
・金利の付き方

 

などごく基本的なことも分からないで販売している方もいらっしゃいます。

また、新人とは言え「ノルマ」を抱えている上に、外貨預金は支店の重要な収益となるので、積極的に販売しなさいという圧力もあると推測されます。

➡︎全員とは言いませんが、ほとんどの場合、完璧とは言い難い方ばかりです。

試しに、今後の米ドルの動向を聞いてみてください。

「いい感じですよ!」
「コロナが〜、トランプが〜、米中貿易戦争が〜」の一点張り
「少々お待ちください、上席に聞いて参ります」


はい、アウトです。このような方々は高確率で大した知識ありません。
危険と判断しましょう。

危険性2 手数料がやたら高い


手数料の仕組みを正しく理解していないと

せっかく円安になったのに損をしてしまった!

という事になりかねません。危険性仕組みを正しくご理解いただきたいです。
手数料は、同時に外貨預金の一番の「デメリット」でもあります。

◯以下、分かりやすく「米ドル」の例を使って説明します

通常の地方銀行などで外貨預金を始めようという場合、
「米ドル」と「円」を交換するのに通常  

”1ドルあたり1円” 

等の手数料がかかる。つまり1万ドル(約100万円)を預け入れるとしたら

1万ドル ✖️ 1円 = 1万円

が手数料となる。しかも引き出す際、円に交換する手数料が同じだけかかるので実質

1万円 ✖️ 2 = 2 万円

2万円の手数料がかかる

つまり
円                ➡︎          米ドル
米ドル        ➡︎           円
二回為替交換手数料がかかるというわけだ。

因みに、「米ドルが一番手数料がやすい」ので、これが豪ドルやユーロになると手数料は倍以上に跳ね上がることもある。


ズバリ、外貨預金で得をするには

米ドルなら
「購入時よりも2円以上円安となる
必要があります。(金利収入を考慮していません。)

なんと、外貨預金は2円負けている状態から始めなくてはならないのです!


2円円安」になってやっと元を取れる状態なので、よっぽど預け入れ相場が「円高」か「長期」で保有できる方でないと元を取れません。

※外貨預金は円安になればなるほど利益を受け取れます。仕組みは最後にご紹介します。

正直、外貨預金で大きくプラスになっている方をほとんど見た事がありません。

※手数料の安いネット銀行や証券会社も存在します。

危険性3 金利が思ったより貰えない

銀行員の外貨預金の勧誘文句としてよくこのようなものがあります

外貨預金は、円よりも金利が高いのでお勧めです!

確かにそうです。円の定期預金の金利は現在

年率0.01%

程度ですよね。

それに対して米ドルの定期預金の金利は地方銀行等では

年率0.1%~0.2%

程度です。 ん?ちょっと待ってください。
いうほど金利変わらなくないですか?

米ドル金利0.1%なら一年預けても円の定期と比べると100万円が

100万100円  になるか        (定期預金に預けた場合)
100万1000円 になるか        (外貨定期預金に預けた場合)

の違いです。冷静に考えてみてください。

相場が1円下がれば、1万円損するし、手数料は前述したとおり合計2万円かかるのですよ?
この900円のためにこんなリスクを背負うなんてちょっとバカらしい気がしませんか?

しかもこの金利、別途で20%以上の税金が取られます。

結果、
100万1000円ではなく
100万800円     
が最終的に受け取れる額となります。

酷すぎる …

まとめ


一般的な銀行で「外貨預金」を始めようとした時、利益を得るためには

・新人ではなく、きちっとした資産運用担当やニュースの話を聞く
・手数料以上に相場が「円安」になる必要がある
・金利の高さに期待せず、相場感を第一に考える

この3点が必要である事がわかります。

にしてもスタート時点で「手数料というハンデ」を負い、相場が正確に分かっていないと、明らかに部が悪い勝負になってしまいますよね。

くれぐれも、預ければ預けるだけ金利で増えるからなんて思わないでください。
折角の大切な資産が減ってしまうかもしれません。

一方、で「投資信託」は資産運用に非常に有効な商品であると考えます。
商品の選び方や、買い方、運用については後日ご紹介致します。


ご質問はコメント欄にお願いします。
なんでもお答えします。

◯執筆者
Tatsuya
現役銀行員
FP、簿記、ビジネス法務などの資格を持ち、資産運用担当として顧客の資産運用を担当。

詳しい執筆者の情報をご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

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普段は銀行員として資産運用や融資を担当。
夜はI.R.Cafeのスタッフとして皆様に真摯に寄り添います。

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