今回は、新人銀行員が店頭事務の次に経験することの多い
「融資事務」
について解説したいと思います。アドバイスや業務内容を具体的にご紹介しますので参考にしていただけると幸いです!
融資事務とは?
「融資業務を行う先輩行員のサポートを行う業務」です。
具体的には、
・書類整理
・本部との書類のやり取り
・端末操作
・担保調査
・ネットや市役所、法務局から書類を取得する
・延滞先など各種帳票の出力
・本部や保証協会への各種報告業務
・財務データ登録
・締作業
・郵便の発送
・残高証明の発行やカードローンの解約など簡単な顧客対応
・督促の電話や訪問
・簡単な個人ローン..
などが挙げられます。
また新人行員が、突然顧客を相手に融資相談を行うことはほとんどありません。
なぜなら、融資は
・スピード感
・適時適切な対応
・顧客対応力
・経験と勘..
が求められる業務であり、数ヶ月程度で完璧に身につくものではありません。
例えば、慣れている行員なら
「このケースならこの制度融資を使うのが一番良いな、それで経験上この書類が必要で、〜日で融資実行できるな」
となんとなく一連の目星をつけることが出来ます。
ですが最初のうちは、膨大な書類の一つ一つが何なのかさえ分からず、顧客の話を理解できず、どこから何を話したら良いのかすら分からないという状態になります。
そこで、融資というものの「流れ」や「書類」に慣れて、少しずつ勉強していくという意味で新人は融資課に配属されるのです。
では具体的な業務の紹介をしていこうと思います!
書類整理
融資では、毎日延滞先などの帳票や、伝票、金銭消費貸借証書、担保関係書類など数多くの書類を扱います。
先輩行員や上司は時間が、なく十分に整理が出来ないことが多くあります。
そこで新人が
・ファイル作成
・綴り
・破棄
・必要な時に書類を出す
などの業務を行い融資の書類に慣れていくと同時に、融資課の業務円滑化に貢献していくこととなります。
ワンポイントアドバイス
よく使う書類の記載事項になるべく目を通そう!
何度も目にすると、なんとなくこの書類はよく使うなぁという書類が出てきます。そこで
「この書類はどんな意味を持つのか」
となるべく考えることで、本格的に融資業務を行っていく際にとても役立ちます。
本部・保証協会への報告業務
融資課は、本部や保証協会へ報告や書類提出をする機会が多くあります。
例えば
・融資の実行報告
・債務者の差押時の事故報告
・契約書の本部集中…
融資課は、営業だけしていれば良いという課ではありません。
営業課と違い、管理業務に大きな時間を割かれるのです。
これは融資課特有の管理業務の一つと言えますね。
これについては、将来本格的に融資課に配属となることを希望される方は、覚えて損は無い業務になります。
出世して管理職になれば当然必要ですし、「融資の管理」の感覚が身につくと思います!
財務データ登録
財務データ登録とは、「先輩が顧客から預かってきた決算書の財務情報をデータベースに登録する仕事」です。
融資の審査において財務情報は最も基本で重要なファクターとなります。
そこで、データをベースに登録することで、自動に審査したり、ネット上で多人数と情報共有を図ることが出来ます。
例えば、支店と本部間などでは、紙の決算書では、意思疎通が難しいですが、ネットに登録してしまえば、簡単に情報共有が図れるのです。
ワンポイントアドバイス
「決算書の分からない項目はなるべく調べて理解しよう!」
理由は簡単、将来決算書の分析をする際に役に立つからです。
本番の融資相談では、その場で素早く決算書を見て必要な情報を取り意見することが必要になってきます。
そんな時、項目の意味すら分からないようでは、話になりません。
また、
「この会社はどんな会社なんだろうか」
と想像しながら登録業務を行うとさらに「実践力」がつきます。
「競合からの謎の借入金があるぞ、相当切羽詰ってるのか?」とか考えながらやると面白いですよ!
各種書類の取得
法務局や市役所、ネットなどから
・住民票
・法人謄本
・不動産謄本
・債権動産譲渡登記謄本
・納税証明書…
など融資審査に必要な資料を取得することを頼まれることがあります。
なんのための資料でどこで手に入るのかなどを覚えておくと、これまた将来役に立つのでおすすめです!
担保調査
銀行では、融資をする際に債権保全のために「担保」をとることがあります。
つまりは、取りっぱぐれを防止するために保険をかけるってことですね。
なので、担保調査は「担保の価値を正確に把握してリスクの分析をするための業務」です。
詳しくは「新人銀行員の業務〜担保調査編〜」でお話しますが、とても重要な業務で、しかも結構楽しいのでこれを頼まれたら心の中で「ラッキー」って感じです。
電車で遠くに行くこともあれば、自転車で行けるところもあります。遠い場所なら、道中でユーチューブを見るもよし、勉強するもよしです。
個人的には、半々が一番ですかね笑
まとめ
いかがだったでしょうか?
結構地味な仕事が多かったですよね?けど新人なんてそんなもんです。融資事務できっちり融資の土台となる知識を蓄えていきましょう!
第二回をお楽しみに!
執筆者
T
現役銀行員。資産運用と融資を担当。
簿記・FP・銀行業務検定・TOEIC・保険販売資格・ビジネス法務..保有
趣味は、海外旅行とアニメ鑑賞