前回の「新入行員の業務 〜融資事務③〜」でご紹介出来なかった新人銀行員の超リアルな融資業務をご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介するのは、
・登記や電債等の調査取得
・顧客や上司の送り迎え
・個人ローン
です。メインは個人ローンとなります。
登記の取得と調査
登記の取得
新人銀行員のうちは、営業担当というよりは営業アシスタントとして働くことが主流になります。
なので、先輩上司より書類の取得を頼まれることが多くあります。その中でも不動産の登記は調査頻度も高く頼まれがちです。
主に調査の理由としては、
・物件の所有者を確かめるため
・差押えなどの有無を確かめるため
・抵当権などが付着していないか確認するため
・面積や構造を確かめるため
・過去の所有者などの流れを知りたい…
といった理由で取得します。
融資審査に必要な書類であることが多く取得を依頼されることが多くあります。
基本的には顧客より取得した謄本を審査に利用することは、偽造の危険性もあるので使いません。
※注意点
基本的には、「共同担保目録」に載っている物件についても謄本を取得するようにしましょう。
所有者の持つ他の物件である可能性が高く、所有者の資産背景を知る上で重要になりますし、土地によっては一体的に見て価値を見出すことも考えられるので先輩上司に一声かけて取得するようにしましょう。
その他登記
不動産登記の他にも
・法人謄本
・債権動産の譲渡登記
も、法人新規取引時などで調査を行うために取得を依頼されることがあります。
法人謄本については、資本金や事業内容、役員、会社設立日などを調査して法人の実態を調査します。
また、譲渡登記は「質権」と違い債権者に「占有を強制されない」ので一見しただけでは、保有物件も資産の一つとして見えてしまいます。
なので、しっかり法人の資産内容を把握する為に、事前調査を行います。
顧客や上司の送り迎え
送迎も新人の仕事!
車の運転は慣れておくといいです。何せほぼ毎日おつかいやら送迎やらで車を運転する時期もありますので、車の運転には慣れておきましょう!
具体例としては
・保証協会
・市役所
・税務署
・不動産担保調査
・顧客の家や事務所
・顧客の商品不動産…
などなど、車の運転の機会はたくさんあります。
一年目にして事故るのは印象悪いし多大な迷惑をかけますから、舐めずに十分気をつけましょう。
因みに怖い先輩と二人で運転するのはマジできついです!笑
もう気まずいったらないですよ。しかもそれが1時間以上となるとまさに地獄ですね笑
夏になるとお中元まわりがあります。暑くって大変です(^^;
個人ローン
新人銀行員の集大成の一つが「個人ローン契約」です。
種類としては
・教育ローン
・マイカーローン
・カードローン
・フリーローン
・住宅ローン
・アパートローン
・リフォームローン…
などが存在します。新人は前半フリーローンまでの担保を取らずに融資する「無担保ローン」の担当となることが多いです。
また、個人ローンは、法人融資と違い
・特定の商品がある
・金利や期間などが決められている
・審査が自動もしくは簡易的…
と言った特徴があります。
「事業の成長性や収益性」・「企業の経営状況」などに融資する事業性の融資と違い、個人ローンは、車などの特定の資金使途に、給与収入などの安定した返済源資をつけて融資できるので、ある程度リスクの定量化が測れる為、審査を画一化できるというのが「商品化」や「自動審査」の大きな理由となっています。
図の通り個人ローンはいわば個人に融資するわけですが、法人融資は法人事業に融資するわけです。
なので、法人の事業の成長性や収益性などを分析の上で格付けし、予想売上を算出し、それぞれに見合う金額、金利、期間、返済方法を検討していく必要があるのです。
一方で個人の場合は、確定申告や源泉徴収票記載の給与が安定的に見込める上、勤続年数や収入などからリスクを定量的に算出できる為、自動の審査なども行われやすく審査は簡易的なことが多いです。
また、無担保ローンであれば「担保が必要ない」為そう言った手続きも省略できます。
なので、個人ローンは新人に任されやすいのです!
まとめ
今回は、新人融資の花形個人ローンを主にご紹介いたしました。
いかがでしょうか?
最初のうちはすんなり全ての書類が揃って、記入漏れ等ミスもなく完璧にことが進むなんていうのは中々難しいです。
しかも、専門知識をたくさん保有しているわけでもなく、顧客相手に何を話したら良いのかと不安になります。最初のうちは気を揉むことばかりで疲れるでしょう。
しかし、数をこなして慣れてくればキチッと相手の状況をヒアリングして先輩上司などにも相談しながら上手くことを進める事ができるようになります。
また、空き時間などで資産運用の提案なんかもして見るのも成長に繋がると思いますので慣れてきたら是非チャレンジして見ると良いかもしれません!