銀行のノルマはキツイって有名ですよね?
どれくらいキツイんでしょうか?またどんな種類のノルマがあるのでしょうか?
今回は入行3年目と仮定してご紹介しましょう。
ノルマの種類
ノルマと言ってもどれをどれだけやれば良いのか?みなさん気になる部分だと思います。
地方銀行か都市銀行か、信用金庫かによっても変わりますが、中間層くらいの銀行くらいなら以下のようになります。
・融資実行額
・手数料収入
・法人新規
・預かり資産販売額
・預かり資産純増
・預かり資産販売件数
・グループ会社収益
・提携会社の紹介手数料
・地公体連携
・その他独自のプロセスポイントなど
融資実行額
ここからは、主要な部分の簡単な解説をして行きます。
「融資実行額」とはその名の通り、
“〇〇円融資を実行しなさいよ”
というノルマになります。相手としては、
・法人
・個人事業主
・消費者個人
となります。
◯用途は法人や個人事業主なら
・運転資金
・設備資金
・投資用不動産の購入資金…
◯消費者個人なら
・住宅ローン
・アパートローン
・リフォームローン
・マイカーローン
・フリーローン
・カードローン…
となります。
また、銀行の収益は7割程度が融資による金利収益であるためにとても重視される項目になります。
そして3年目くらいだとだいたいノルマは3億円くらいと推測されます。
3億円でも1.5%の利息がつけば年450万円ですから大きいですよね?
しかも基本融資というのは1年で返済するものではありません。短期継続やカードローン等を除き、数年にわたり返済していく形態が基本となります。
なので、融資の残高が増えればそれだけ多くの利息を自動的に獲得できるので金利が低下している現状でも重要視される項目となります
預かり資産系
預かり資産等とはいわゆる投資信託や保険等です。
なので「預かり資産の販売ノルマ」とは、
“〇〇円投資信託を販売してこい!”
っていうノルマになります。
というのも近年、日本の金利は長期的な低金利状態が続いており融資業務で得られる利鞘(金利収益)が減少しています。
この減少分を補うという意味で、各銀行は預かり資産の販売や保険の販売などで手数料収入の増加に力を入れています。
3年目だと販売額で3000万円ってところでしょう。
ただし、最近不適切な販売を行う銀行や保険会社が発生したことで多くの銀行ではこうした金融商品の販売ノルマは減少傾向にあります。
まあそれでも見た目だけ変えたなんちゃってノルマが横行していてあんまり意味ないですね。
その他
グループ会社収益
銀行は、金融持株会社の一員として他に保険・証券・リース・カード・コンサルティングなどの会社を持っています。
なのでこういった会社を紹介してグループの収益を稼ぐこともノルマ項目となります。
提携会社紹介手数料
銀行は、電気・ガス・建設・不動産会社などと提携しており、こう言った会社を紹介して成約になると手数料収入を得られるので「紹介手数料」などもノルマの項目になります。
キツさ
3年目といえば、ようやく基本的な融資や預かり資産販売の基礎を覚えてきた時期になると思います。
そういった中で、グループ会社収益や提携企業の紹介などは普通にやっていたら達成できません。
とにかく不動産、事務的な手続きの面、経営、様々な業界に関する知識など多くの勉強が必要になります。
例えば、
「うちで不動産会社を紹介できます!」
といった所で、相手側にはすでに知り合いの業者がいることもあります。そういった時でも、
「この業者はこの部分にメリットがあるのでこちらはどうですか?」
と紹介できるだけの実践的な知識が重要になります。
トンチンカンなうわべだけの知識は役に立ちません。
「こいつ分かってないな」
って思われるだけです。なので、相場の勉強や決算書の勉強とは別に日々勉強する必要があります。
とは言え、毎日7時過ぎまで残業して8時前には出勤ですからかなりキツイです。それは覚悟しないといけません。
まとめ
かなりキツイ現実をお見せしてしまったと思いますが、毎日切羽詰まって大変というわけではないのできっちり計画を立てて達成していくようにすることが大切です。
また、3年目なら基本は上席と相談しながら案件を進めていくことになると思いますので、うまく上席に手伝ってもらいながら難しい部分は覚えていくと良いと思います。
若い頃のこういった知識は将来転職しても役に立ちますから是非めげずに頑張ってください!
本日のマスター
T
現役銀行員。融資と資産運用を担当。
簿記・FP・ビジネス法務・TOEIC・外務員・保険募集人・銀行業務検定..保有