銀行への就職活動においてとても重要な意味を持つ「支店見学」
みなさんは、支店見学での「マナー」「質問事項」「見るべきポイント」をしっかり押さえられていますか?
ここを押さえられていないと、行っても「意味が無かった」「むしろマイナス」なんてことになりかねません。
また、折角支店見学に行ったからには
「面接に有利になる情報」
「仕事人生後悔しないための情報」
の両方を持って帰って有意義なものにしたいですよね!
なので、今回は支店見学における最低限抑えておくべきポイントをご紹介します。
支店見学のマナー
ここでは最低限押さえておくべきマナーをご紹介します。
マナーが守れないと人事への連絡時にマイナス点となってしまう恐れがあります。
折角行ったのにそれではもったいないですね。なのでしっかり押さえましょう。
事前連絡
現場の行員は忙しいものです。
自分の仕事と関係のない話を悠長にできる余裕なんてありません。
突然来られて
「お話よろしいですか?」
なんて失礼ですしイライラさせてしまいます。
なので、人事や支店に一報を入れアポを取ってから支店見学に行くようにしましょう。
日付
銀行には繁忙日と言うのがあります。
こういった日は避けていくのが礼儀です。
・5、10日
・月末月初
・偶数月の15日(年金の日)
・期末(3月・9月など)
以上は避けていくようにしましょう。
この日に行くとみんなキレます笑
イライラしてるので。なので必ず避けてください。
服装
服装は当然ながらスーツでいきましょう。髪も黒に近い色にしてください。
明るい色で支店見学に行った日には、ちょっとした有名人になってしまうのでご注意ください。
銀行は、業界でもトップレベルに服装や身だしなみに厳しいことで有名です。
派手な色は避け、清潔感ある身だしなみを心がけましょう。
また、細部まで気を使う必要はありませんが支店長など影響力のある人間と会うことも想定し、爪やひげの処理、口臭、汗、などなどにも気を使うと好印象です。
挨拶
入ったらまず窓口の行員に
「本日支店見学をさせていただくお約束を頂戴した〇〇大学の〇〇と申します」
と挨拶しましょう。
銀行では、顧客と話をする際だけではなく、顧客の入店時にも挨拶をするように教育されます。
あいさつ力はコミュニケーション能力の基本です。
柔らかな明るい声で、挨拶することを心がけましょう。
暗い表情、暗いトーンでの挨拶は悪印象です。
会話する気がないと思われてしまいます。
行員からしても、挨拶ができる子に対しては、
「うん、この子応援したいな」
と思わせることが出来ます。その後のお話もスムーズになるでしょう。
また、帰る際は邪魔にならない場所で深くお辞儀をしましょう。
お礼
必ず、お話の前と後にお礼の言葉を述べましょう。
例えば、終わりがけでは
「本日はお忙しい中、お時間を頂戴いたしまして誠にありがとうございました」
などとお礼を述べましょう。
そこまで、かしこまる必要があるのかと思われるかもしれませんが、銀行員は顧客に対して、これくらいの言葉遣いは普通に使います。
なので、ここはシビアに考えてください。
お礼状
お会いした行員のお名前をメモしておき、全員に対してお礼状を作りましょう。
支店長にはお礼状を出すけど、一般行員にはお礼しませんはおかしいですよね?
なので、一通のなかで、全員に対するお礼を述べましょう。
内容
・お時間を頂戴したことのお礼
・お話に対するお礼
・印象に残った具体的なエピソードなど
を盛り込むと良いでしょう。
ルール
1、相手の会社名、支店名、名前を正確に記入する
2、「拝啓」から始まる時候の挨拶文を入れる。最後には「敬具」
3、最後に「結びの言葉」を入れる
◯時候の挨拶は、以下のサイトをご参考にしてください。(時下でも可)
では、実際の例をご紹介します。(横書き時)
テンプレート
令和◯年◯月◯日
〇〇銀行株式会社
〇〇支店〇〇課
〇〇様
◯◯大学〇〇学部
◯◯〇〇
拝啓 早春の候、貴社ますますご健勝の事と喜び申し上げます。
先日はお忙しい中、支店訪問にお時間を割いて頂き、
誠にありがとうございました。
○○様のお話がとても分かりやすく、貴行での仕事内容や、やりがいなどについて、理解を深めることが出来ました。
また、支店長の〇〇様の考え方に深く共感いたしまして、ますます貴行で働きたい気持ちが高まりました。選考に向けて、さらに努力を重ねていきたいと考えております。
取り急ぎ感謝の気持ちを伝えたく、お便り差し上げました。
末筆ながら貴社のご発展と、皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
この度は誠にありがとうございました。
敬具
その他縦書き時等のルールは、以下を参考にしてください。
お礼状は必須ではありませんが、最早常識となっており、その後音沙汰無しだと非常識とみなされかねません。
なので、面倒くさがらずに丁寧に書きましょう。
また、当日中に送付してやる気をアピールしても好印象ですので早めの送付をおすすめします。
宛名や封筒の種類、折り方など
◯封筒と便箋は白を使いましょう。
より格式高く丁寧な印象です。実際のビジネスでも顧客相手の場合、無地のものを使います。
お礼状の内容が良かったとしても、ここで印象を悪くしてマイナスにならないように気をつけましょう。
◯表に宛名、裏に差出人名を記入する。
宛名は、誤字脱字が無いように注意しましょう。会社名を間違えるなどは基本的なビジネスマナーを疑われるだけでなく、志望度も疑われてしまい大減点です。
また、相手名を支店にする場合は最後に「御中」をつけましょう。
担当者の場合は「様」で大丈夫です。
差出人名には、
・大学名と学部
・住所
・名前
を記入しましょう。
のりを使って封をし、「〆」で閉じましょう。
質問内容
事前にメモして準備しましょう。
質問に迷うそぶりを見せるのは、失礼ですしそれくらい最低限の事前準備ですよね。
その上で、質問事項は
・志望動機の補強ができるもの
・銀行の雰囲気
・行員の仕事に対する考え方..
などを質問するのが良いでしょう。
特に銀行の雰囲気を知ることが大切です。
実は、同じ銀行でも「雰囲気」って全然違うんです!
バリバリ営業の体育会系の銀行もあれば、まったり系の銀行もあるし、格式高い感じの銀行もあります。
その中で銀行の雰囲気と自分の雰囲気が合わなければ、入行後辛くなるでしょうし、銀行の雰囲気は志望動機にも使えます。
だからこそ、行員の本音を引き出せるような質問を考えてきてください。
また、働き方についても聞いてみてください。あなたの仕事観にあっている職場かどうかを判別できるでしょう。
例えば、バリバリ働いて成長したいのにまったりした銀行に入ってしまったら恐らくストレスが溜まり早期に転職したいと思うようになるでしょう。
長い仕事人生を後悔しないためにも、ここは躊躇わず聞いた方があなたのためになると思います。頑張って行員の本音を引き出してください。
見るべきポイント
行員の人数と忙しさ
中型店舗なら通常事務系のフロアに10人前後いるはずです。
人数が少なく、行員がみな焦っているような支店は人手不足であることが伺えます。これは他の支店についても同様の人手不足になっている可能性がありますのでご注意ください。
人手が足りない = 離職率が高い = 激務で辛い
という算式が成り立ちかねません。
入行後地獄を見るかもしれません。
窓口営業行員の接客
椅子に座って観察するか、自分が顧客として後日資産運用相談を受けるなどして、行員の接客を観察しましょう。
「ローカウンター」の行員は正社員であることが多く、その銀行の「営業スタイル」が見て取れます。また、これは銀行の雰囲気を知る上でもヒントになり得るので要チェックです。
また、自分の営業への考え方などと照らし合わせて、志望動機の一部にすることも可能です。
例えば、
・どうやって顧客のニーズを引き出しているのか?
・顧客と親密な関係を築けているか?
・マナーはどうか?
等を見て、
「行員の方が丁寧な接客によって顧客のニーズをしっかりと把握されていて、このようなレベルの高い接客に感動しました。」
などの説得力のある志望動機につなげることも可能です。
店舗の特徴
銀行ってどれも似たようなものと思われがちですが、意外と面白い違いがあったりするし、そこから銀行の特徴を読み取れたりします。
昔ながらの銀行なのか、今風のお洒落な銀行なのかでも中の行員の雰囲気は全然違います。
銀行によっては、ホテルのラウンジみたいになっているところもあれば、なんの工夫もない(する余裕がない・組織体制が硬い)簡素な銀行もあります。
なんと足湯やスタバがついるなんて銀行もあるんですよね。
このように、自由な銀行は経営が柔軟・経営に余裕があることが多く、時代の流れに乗りやすいと言えるでしょう。
銀行の将来性や志望動機を考える上でも銀行の特徴を捉えられるヒントになります。
ぜひ押さえましょう。
顧客層
・地域のご老人が多いのか
・若い層が多いのか
・小綺麗で格式高い人が多いのか
ここからも、銀行の雰囲気や考え方、ターゲットなどを判別するヒントになります。
まとめ
支店訪問のマナー・質問事項・見るべき点をご紹介しました。
きっちり準備して、より有意義な支店訪問にしてください。
支店訪問を効果的に活用できれば必ず就活にもあなたの人生にも良い影響を与えるでしょう。
それでは、みなさんの就職活動がうまく行くように祈っております!
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執筆者
T
現役銀行員。融資と資産運用担当。
簿記・FP・銀行業務検定・TOEIC・ビジネス法務..保有